(有)肉の丸愛
左から千鶴さん、せつ子さん、斉藤さん、藏満さん、孫・良太君
住宅街に並ぶ家屋に溶け込むように㈲肉の丸愛(斉藤久志社長、練馬区関町東)はある。外側が数々の花や金魚が悠々と泳ぐ水槽で彩られた店舗には、新たに年月を重ね始めた新鮮さと明るさで満ちている。その背景には、斉藤さんが若きエネルギーで得た仕事への情熱と42年にわたる地域と歩んだ日々があった。
住宅街に並ぶ家屋に溶け込むように㈲肉の丸愛(斉藤久志社長、練馬区関町東)はある。外側が数々の花や金魚が悠々と泳ぐ水槽で彩られた店舗には、新たに年月を重ね始めた新鮮さと明るさで満ちている。その背景には、斉藤さんが若きエネルギーで得た仕事への情熱と42年にわたる地域と歩んだ日々があった。
店主より一言
店舗情報
連絡先 |
TEL:03-3928-4529 FAX:03-3928-4529 |
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住所 | 〒177-0052 練馬区関町東1-24-1 |
店舗PR、お知らせなど

作業場に掲げられた埼玉入間バークシャー黒豚の指定販売店の証
作業場の一角に高々と掲げられた額には、「埼玉入間バークシャー黒豚」の指定販売店「指定第1号店」の証が父・愛作さんの名前とともにある。兄弟も精肉店や卸業に携わる斉藤さんが、精肉店を営む原点を示すものだ。豚を潰すため入間から中野区のと場まで、自転車で行き来したという猛者の父は、15歳になった斉藤さんの進路をすでに決めていた。
「杉並区の亀屋」ということ以外は知らされないまま、修業が始まった。朝6時から夜11時まで、仕事はもちろん生活面まで厳しい訓練を受けながら「将来は自分の店を」と張り切った。
ある時は、豚の頭を積んだ自転車をひっくり返し、周りの人の悲鳴を浴びた上に道路の車を止めてしまった。女学生が多い通りでは思春期の恥ずかしさから、その目をはばかるようにして豚を運んだことも。
お店が御用聞きを始めると、未経験な中で近隣の家を1軒ずつ体当たり。初めて会うお客から注文が得られた喜びで、さらに拍車がかかった。年末になると、当時は高価で1本しかない大きめのロースハムを手に3件も注文を得て、お店を驚かせた。
その後、22歳で小平に念願のお店を開いたが、知人の勧めで石神井へ移転。生鮮三品や乾物屋など8店舗が入る「中央ショッピングセンター」で昭和47年に新たな一歩を踏み出すと、人が途切れないほどに大繁盛した。
「杉並区の亀屋」ということ以外は知らされないまま、修業が始まった。朝6時から夜11時まで、仕事はもちろん生活面まで厳しい訓練を受けながら「将来は自分の店を」と張り切った。
ある時は、豚の頭を積んだ自転車をひっくり返し、周りの人の悲鳴を浴びた上に道路の車を止めてしまった。女学生が多い通りでは思春期の恥ずかしさから、その目をはばかるようにして豚を運んだことも。
お店が御用聞きを始めると、未経験な中で近隣の家を1軒ずつ体当たり。初めて会うお客から注文が得られた喜びで、さらに拍車がかかった。年末になると、当時は高価で1本しかない大きめのロースハムを手に3件も注文を得て、お店を驚かせた。
その後、22歳で小平に念願のお店を開いたが、知人の勧めで石神井へ移転。生鮮三品や乾物屋など8店舗が入る「中央ショッピングセンター」で昭和47年に新たな一歩を踏み出すと、人が途切れないほどに大繁盛した。

30数件にもなる納め先のリストが壁一面に
お客と会話が力に
豚肉はお店の原点なだけに、「やはり、枝でおろす肉にはかなわない」と自信があった。潰した豚を5日から1週間、冷蔵庫で寝かせる。家族はもちろん、常連客からも他店との違いが分かると、味には定評があった。牛肉も扱い、時には鶏を自らさばいてショーケースに。
それらの肉を使った揚げ物も評判を得た。コロッケ、メンチ、トンカツは安定的な美味しさ。ミートローフや肉団子は、福祉施設などのお弁当の一品としても人気が出た。焼き鳥の機材もそろえ、手が空いたときには鶏肉を串に刺すなど、販売だけでなく調理も次々とこなした。 仕事を充実させたのは、お客との会話だった。
「このお肉が柔らかいよ」「こんなおかずにすると美味しいよ」 自慢のお肉を美味しく食べてもらいたいと、語り口にも熱を帯びる。やがてお肉を間に四方山話まで話題が広がり、店内はいつも賑やか。
さらに賑やかにしたのは、近所の小学生たち。夏になると冷蔵庫で水を冷やしておき、学校帰りの子供たちが飲んでいく。長男・利幸さん、次男・健仁さんの同級生や近所の子供たちの遊び場にもなり、子供好きな斉藤さんは時に車に乗せて野球観戦へ連れて行くことも。その子供たちが成長し、子供を抱えながら再訪してくれるのが楽しみだった。
手を止めることなく仕事を続けるのは、早朝から夜遅くまで働いて身に付けた修業時代の習慣が、お客と楽しく会話をしながら商売するのは、御用聞きで体感した楽しさが、後にお店を持ってから生かされた。
「修業は厳しかった。でも、今はアドバイスの意味がわかる」
若き日に得た成功の種は、70歳になった斉藤さんに実りをもたらしている。
豚肉はお店の原点なだけに、「やはり、枝でおろす肉にはかなわない」と自信があった。潰した豚を5日から1週間、冷蔵庫で寝かせる。家族はもちろん、常連客からも他店との違いが分かると、味には定評があった。牛肉も扱い、時には鶏を自らさばいてショーケースに。
それらの肉を使った揚げ物も評判を得た。コロッケ、メンチ、トンカツは安定的な美味しさ。ミートローフや肉団子は、福祉施設などのお弁当の一品としても人気が出た。焼き鳥の機材もそろえ、手が空いたときには鶏肉を串に刺すなど、販売だけでなく調理も次々とこなした。 仕事を充実させたのは、お客との会話だった。
「このお肉が柔らかいよ」「こんなおかずにすると美味しいよ」 自慢のお肉を美味しく食べてもらいたいと、語り口にも熱を帯びる。やがてお肉を間に四方山話まで話題が広がり、店内はいつも賑やか。
さらに賑やかにしたのは、近所の小学生たち。夏になると冷蔵庫で水を冷やしておき、学校帰りの子供たちが飲んでいく。長男・利幸さん、次男・健仁さんの同級生や近所の子供たちの遊び場にもなり、子供好きな斉藤さんは時に車に乗せて野球観戦へ連れて行くことも。その子供たちが成長し、子供を抱えながら再訪してくれるのが楽しみだった。
手を止めることなく仕事を続けるのは、早朝から夜遅くまで働いて身に付けた修業時代の習慣が、お客と楽しく会話をしながら商売するのは、御用聞きで体感した楽しさが、後にお店を持ってから生かされた。
「修業は厳しかった。でも、今はアドバイスの意味がわかる」
若き日に得た成功の種は、70歳になった斉藤さんに実りをもたらしている。

「センター」最後の日をまとめた写真集。常連客からの花束に囲まれた
新たな「丸愛」に
時代が進むにつれ、「中央ショッピングセンター」は老朽化。スーパーの進出や高齢化もあり、センター内のお店も閉店が相次ぎ、最後は斉藤さんのお店だけが残った。お客も定着し、経営には問題がなかったものの、8店舗あった施設に1軒だけで営業するのは光熱費など非効率な面が。5年前、42年間も慣れ親しんだ店舗を閉めることに。最終日には、花束を届けに多くの常連客が斉藤さんを囲んだ。
新たに現在の店舗へ移転。住宅街で正面には団地があり、南向きで道路に面した角地に構えた。
「店をやるにはいい」と気に入った斉藤さん。小売りや惣菜には今でも自信があるが、妻・せつ子さんが「もういいでしょ」と年齢や健康を気遣い待ったをかけた。
今では保育園や小中学校、福祉施設、飲食店など、30数件にわたって納めを専門に展開。焼豚やハンバーグなども納め、長年にわたって築いた惣菜の味は健在だ。「本当は小売りをやりたい」との思いを秘めながら、新しくてピカピカに磨き上げられた作業場の機器に向かう。
新たな戦力も加わった。長女・千鶴さんの夫・藏満敏彦さんが斉藤さんの片腕として、お店の中心的存在になりつつある。「家族とお客さんあってこそ」と、せつ子さんは今日までの日々に感謝を。
新しい店舗でも「丸愛」の看板が輝く。「愛」の一字は、父・愛作さんから取った。会社化する際に、その旨を伝えると、働き者で怖かった父から「お前が頑張ったからだ」との言葉。「父も喜んでくれたと思う」と、現在のお店を眺めながら当時を思い浮かべる。「愛」の一字には、お肉はもちろん、家族やお客に向けられた思いも含まれていたのかもしれない。
【「東京食肉新報」2018年(平成30年)5月20日号掲載】
時代が進むにつれ、「中央ショッピングセンター」は老朽化。スーパーの進出や高齢化もあり、センター内のお店も閉店が相次ぎ、最後は斉藤さんのお店だけが残った。お客も定着し、経営には問題がなかったものの、8店舗あった施設に1軒だけで営業するのは光熱費など非効率な面が。5年前、42年間も慣れ親しんだ店舗を閉めることに。最終日には、花束を届けに多くの常連客が斉藤さんを囲んだ。
新たに現在の店舗へ移転。住宅街で正面には団地があり、南向きで道路に面した角地に構えた。
「店をやるにはいい」と気に入った斉藤さん。小売りや惣菜には今でも自信があるが、妻・せつ子さんが「もういいでしょ」と年齢や健康を気遣い待ったをかけた。
今では保育園や小中学校、福祉施設、飲食店など、30数件にわたって納めを専門に展開。焼豚やハンバーグなども納め、長年にわたって築いた惣菜の味は健在だ。「本当は小売りをやりたい」との思いを秘めながら、新しくてピカピカに磨き上げられた作業場の機器に向かう。
新たな戦力も加わった。長女・千鶴さんの夫・藏満敏彦さんが斉藤さんの片腕として、お店の中心的存在になりつつある。「家族とお客さんあってこそ」と、せつ子さんは今日までの日々に感謝を。
新しい店舗でも「丸愛」の看板が輝く。「愛」の一字は、父・愛作さんから取った。会社化する際に、その旨を伝えると、働き者で怖かった父から「お前が頑張ったからだ」との言葉。「父も喜んでくれたと思う」と、現在のお店を眺めながら当時を思い浮かべる。「愛」の一字には、お肉はもちろん、家族やお客に向けられた思いも含まれていたのかもしれない。
【「東京食肉新報」2018年(平成30年)5月20日号掲載】


牛肉のアスパラ巻き焼き
旬のアスパラの長さを生かし、牛肉を巻きつけて焼く簡単メニュー
豚肉と新玉ねぎのステーキ
相性抜群の豚肉と玉ねぎで味も栄養も引き立てあうステーキに。
牛肉とスナップえんどうの塩炒め
焼き肉用の牛肉を使い旬のスナップえんどうで彩りもきれいに春らしく。
素材の味が生きた塩・豚肉じゃが
シンプルな塩の味付けで素材の味を楽しめる肉じゃが
牛肉たっぷり「ハッシュドビーフ」
簡単なのに、牛肉もご馳走感もたっぷり
ローストビーフ・サラダ
見た目が華やかでヘルシー感もあるのにご飯にも合うローストビーフ
骨付き豚バラのキムチ鍋
豚肉の骨から出汁が出てコクと旨味がじゃがいもに染み込むキムチ風の肉じゃが
野菜たっぷりのハンバーグシチュー
ハンバーグだけでなく、たっぷりな野菜も楽しめる煮込みシチュー
ローストチキン
クリスマスの定番。ひと手間かけて丸鶏を美味しく
ビーフかつめし
ビーフの薫り高いカツにデミグラスソースが決め手
チーズ入り鶏むね肉唐揚げ
むね肉にチーズを加えて旨味を追加したから揚げ